ためになる!イタリア語のおもしろい慣用句(2)

さて、本日は「ためになる!イタリア語のおもしろい慣用句」第2弾!

中上級向けが多いですが、いくつかは初級レベルでも覚えていれば使えるものがありますよ。


1)Avere il prosciutto sugli occhi
えぇぇぇ?!
avere=have,持っている、il prosciutto=生ハム,プロシュート、sugli occhi=(su+gli occhi)目の上に…「目の上に生ハム?!」…。
皆さんは意味、分かりますか?
「目の前の当然のことも見えない」状態の事。
例:Per non vedere gli errori di Marco devi proprio avere il prosciutto sugli occhi.” 「マルコのミスに気付かないなんて、目の上に生ハムついてるんじゃない?(こんなにはっきりしていることなのに気づかなかったの?)」


2)acqua in bocca!
直訳すると「口に水!」?!どんな意味でしょうか?
誰かに秘密を守ってほしいときに使います。
例:”acqua in bocca, per favore.”=「お願い、誰にも知られたくないの!」のように使います。


3)alzare il gomito
alzare=上げる、il gomito=肘。「肘を上げる」つまり、グラスを持って飲んでいるしぐさから由来して、「お酒を飲む」という意味。
例:”Come mai oggi hai una faccia così stanca? Ieri hai alzato il gomito?”「どうして今日はそんなに疲れた顔をしているの?昨日お酒を飲んだ?」


4)Avere voce in capitolo
Avere=have,持っている。voceは、声のことですね。capitoloは、小説や台本などの章をさします。
つまり、ある状況下で、発言権を持っている、影響力を持っているという意味です。
例:”Ti aiuterei volentieri ma non ho voce in capitolo.”「喜んで助けてあげたいんだけど、私が言っても影響力はないの。」


5)Cadere dalla padella alla brace
Cadere=落ちる、dalla padella=フライパンから、alla brace=残り火に。フライパンから(落ちて)残り火に落ちる。さらに状況が悪くなる。一難去ってまた一難とも訳ができそうですね。
例:”Se prima mi trovavo male, ora sono caduto dalla padella alla brace!”「前も居心地は悪かったんだけど、今はもう(さらに)最悪だよ。」


6)Andare con i piedi di piombo
Andare=行く、con=with・~と、i piedi=足、di piombo=鉛の
鉛の(ような重い)足で行く、つまり、とても慎重になりながら行動するという状況の時に使います。
例:”Non so bene cosa potrebbe succedere quindi è meglio che andiamo con i piedi di piombo”「何が起こるのかわからないし、慎重に行こう。」


7)Colpo di grazia
Colpoは一撃・打撃などの意味でつかわれることが多く、graziaは恵み・恩恵の事をさしますが…。「恵みの一撃」いい意味のようにも感じますが、実は、「とどめの一撃」を意味しています。すでに問題が発生している状況下で、それを完全に修復不可能にしてしまうかのような大打撃をうけるというときに言ういい方です。
例:”Ora che mi dici questo mi stai dando il colpo di grazia.” 「今君がそれを言ってくれて、とどめの一撃を受けたよ」


8)Gettare la spugna
Gettareは投げ捨てる、la spugnaはスポンジですが、スポンジを投げるで、日本語の「匙を投げる」と同じような意味合いになります。
ボクシングで、リタイアしたい(させたい)ときにトレーナーがスポンジやタオルなどをリングに投げるしぐさに由来して、あきらめる、見切りをつけるという意味でつかわれています。
例:”Io ho provato a spiegarle cosa non funzionava, ma poi ho visto che non voleva ascoltarmi ed ho gettato la spugna.” 「私は彼女に何がうまくいかないか説明しようとしたけれど、結局私の言うことに耳を貸してくれないみたいだったからあきらめたわ。」


9)Darsi la zappa sui piedi
Darsiはイタリア語初心者が「イタリア語やめようかな」と思うきっかけになりうる「再帰動詞」の”dare(give,与える)+si(自分自身に)”ですね。la zappaは、クワのことを言いますが、sui piedi(足に)とくっつくので、クワで掘っているときに自分自身の足にクワを…という悲惨な状況が想像できてしまいますが、この場合の意味は「自分自身で問題を作ってしまう(Creare problemi a se stessi)」ということ。
例:”Licenziandosi si è data la zappa sui piedi!”「仕事を辞めることは、自分で問題を作るようなもんだ」


10)Di punto in bianco
di punto in biancoは、よく使う慣用句で、All’improvviso=突然、唐突に。
例:”Questa mattina c’era il sole poi di punto in bianco ha iniziato a piovere.”「今朝はお天気だったのに、いきなり雨が降り出した。」


みなさん、いかがでしたか?ぜひ覚えて活用しましょうね。