8月15日、Ferragosto(フェラゴスト):イタリアの「お盆」?!

実は、イタリアにもFERRAGOSTO(フェラゴスト)とよばれる「お盆」に当たるともいえる、季節の行事があります。
フェラゴストは、8月15日。その起源は、古代ローマの時代にさかのぼるといわれています。
歴史とともに、様々な信仰が混ざり合った経緯があるそうですが、聖母マリア被昇天の祝日(Assunzione di Maria Vergine、聖母マリアが人生を終えた日)という大切なカトリックの宗教行事の日として知られています。

現在はカトリック行事として知られているものでも、もともとカトリックより前のイタリアの土着の信仰の行事だったものがカトリックに融合したとされているものは数多くあるそうです。

このフェラゴストの日とその前後は、多くの個人商店などは、バカンスを取って閉店していることが多かったり(大規模チェーン店以外はほぼ閉まっていると考えていいでしょう)、多くの人が大渋滞を我慢してでも海に行ったりすることが多いため、都市は閑散としていて、地方ごとに、フェラゴストの日のお祭り行事や、花火大会があったりと、日本のお盆のお祭りにとても似ています。

もともと、夏の暑い日を涼しい場所でみんなで過ごそうという考え方を、色々な宗教においてもしていたことから由来しているのかなとも思えてきますね。

写真:http://www.agrodolce.it/
写真:http://www.agrodolce.it/

写真は、ピエモンテでフェラゴストの日に食べられているビスケット(“Margheritine di stresa”)。
かつてピエモンテにはサヴォイア王国が栄えており、1857年に、Pietro Antonio Bolongaroというパティスリーが作り献上したマーガレット型のビスケット(イタリア語ではマーガレットのことをマルゲリータという)をマルゲリータ女王が大変気に入り、毎年フェラゴストの昼食のデザートにしようということになったことから、ピエモンテのフェラゴストの日のお菓子として定着したといわれているそうです。
お盆シーズンにイタリア旅行予定の皆さん、注意して滞在先の情報をぜひ集めて準備をされてくださいね!