イタリア料理とトマトのお話

こんにちは!アカデミアイタリア福岡のルーチョです。今日は、イタリアの面白いことを少し紹介します。

トマト(イタリア語でil pomodoro)はイタリア料理(cucina italiana)のベースになる食材ですね。

La pizza(ピッツァ), il sugo pomodoro e basilico(トマトとバジルのソース), le lasagne(ラザニア), il ragù alla bolognese(ボロネーゼのラグー), l’amatriciana(アマトリチャーナ), la caprese(カプレーゼ)など、世界中で知られるイタリア料理には全部 il pomodoroが入ってる。

Il pomodoroがなかったら、もしかすると、la cucina italianaは、こんなに人気になっていなかったかもしれません。「イタリアといえばトマト」っていうイメージは、とても定着してる。

でも実は、il pomodoroは元々イタリアの野菜ではなかった、って知ってた?

そうです。Il pomodoroは中南米の野菜です。1540年にHernan Cortes という、スペイン人がトマトをヨーロッパに持ってきて、1596年にイタリアにも入ってきました。一番最初は、毒がある実だって信じられていたから、料理に入れずに、はじめはデコレーションとして使われてたんだって。

その後に、料理に使えるってわかってきたんだけど、貧しくてすっごくお腹がすいた人が毒が入っててもいいから!と試しに食べてみたら、とっても美味しいことがわかった、って言われてる。

そのあと、1800年代の後半には、 トマトソース(la passata di pomodoro)を作る工場が初めて出てきました。北イタリアでは1865年~1893年の間に、Parmaで4つの工場ができて、 南イタリアでは、1875年にNapoliに工場ができたらしいよ。

それ以来、トマトの栽培が増えていって、la passata di pomodoroはイタリアの様々な料理のベースになっていったんだって。

1891年には、Pellegrino Artusi氏のLa scienza in cucina e l’arte di mangiar beneという本(「美味しく食べる料理の科学と芸術」っていう壮大なタイトルの本だよ)が出版されたんだけど、その中にla passata di pomodoro をベースにした、たくさんのレシピが書いてあったんだって。この本のおかげで、昔のイタリア人が今も世界中で大人気のイタリア料理のレシピを学んで、広がっていったんだ。

日本でもil pomodoroをつかった料理はとっても普及していますね。あなたのお気に入りのIl pomodoroの料理は何ですか?!